特集
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世田谷区世田谷通り沿いの密集地にその現場は存在する。都市部であるため間口5メートルの狭小地だ。
極力大空間を確保し、ビンテージトレーラーを建物内に格納し、他とは一線を画した建築とすることが今回のミッションだった。
これを受け我々エー・ディーアンドシーは持っている全てを注力し、日本初の工法 名付けて『狭小ボンバー!』を生み出した。
柱は邪魔になるため、構造体は最近少しづつ見聞きするようになったCLT(挽き板を繊維方向に積層直行させた木質構造用大型パネル)材で構成。しかも足場を立てず高所作業車での建て方だ。
その一枚のサイズは高さ7.5メートル、幅2.0メートル、厚みはなんと21センチにもなる大物だ。重さに至っては2.5トンもある。
外壁は工場で貼り合わせ済み、内壁はCLTあらわしのままの大判を梁(木造集成梁)で門型に繋ぐ計画だ。
間口方向に体力壁を作らず(トレーラーを格納するため)構造形成するために、基礎との連結金物もゼロからの開発となった。
「良しっ行ける!」・・・・か?!
ただ、障害は机上の想像以外にも有る。それは現場環境である。
目の前はバスも通る幹線道路。何台もクルマを停め置きすることもできない。もちろん歩行者・自転車も通るし、空中に有る電線だってその行く手を阻む。
事前に岡山の工場でレッカーでの仮組立ても行ない、BIMも活用し、メーカーや職人さん達も巻き込んでの作戦会議を重ね、いざっ!
結果、最高のフィニッシュでおさめる事に成功。
ビンテージトレーラーを中に格納し、Daytona Houseのパネルを正面に入れ込み、様々な加飾と仕上げを施しミッションコンプリートを迎えることができた。
これにより我々が生み出した日本初の工法『狭小ボンバー!』が世の中に披露された。
お施主様、素晴らしい機会をありがとうございます。
ライフデザイン・カバヤ株式会社
株式会社構造計画研究所
ペーパレススタジオジャパン株式会社
銘建工業株式会社
株式会社秀政建総
株式会社川上建設
所在地:東京都世田谷区上5丁目
形態:カフェ
敷地面積:61.69m²
建築面積:47.66m²
用途地域:近隣商業地域
構造:
X方向CLT薄肉ラーメン構造
Y方向CLT壁式構造
壁CLT210mm スギヒノキ5層7プライ
床CLT36mm スギ
CLT使用量38.0㎥
木材使用率0.399㎥/㎡